こんにちは。RMCweb記事作成メンバーのうっしーです。

今回は今までと趣向を変えて、「土地」に関するコラム記事を書いてみようと思います。
題して土地コラム!第1回目は「公園」についてです(続くかな~。続くと面白いな~。)

 

あなたにとって、公園はどんな場所ですか?

いきなりの質問ですが、公園をあなたはどのように使っていますか?

これってけっこうその人のライフスタイルに関わってくると思うんですよね。

今の私は2歳になる息子の遊び場として利用しています。歩いていく近所の小さな公園は保育園帰りの散歩の途中に。車で行く大きな公園は、休日のピクニックに。

学生の頃は、公園を利用するのはもっぱら夕方。放課後に近所の公園でブランコを漕ぎながら暗くなるまで話し込みました。大人になってからは、夜。飲み会帰りに3次会と称して、コンビニで缶チューハイを買って、夜風を浴びながらお酒を飲んだりしていました。

ん、思い返せば、私けっこう公園使ってるぞ。

 

 

公園の種類は多種多様

折角なのでちょっと公園について調べてみました。

そもそも大きく分けて公園は、「自然公園」と「都市公園」に分類されます。

「自然公園」はその名の通り、自然公園法に基づいて自然環境を保護するために一定区域を公園にしているもの。福井県では自然公園は、4か所。海岸沿いや、山林地域のこの地域の特色ある自然区域が公園として保全されています。気になった人は調べてみてね。風光明媚なところが多いです。

一方、「都市公園」は都市公園法に基づいて、人が暮らす場所に、遊びや運動、防災などを目的としてつくられた公園のこと。

都市公園はその中でも、多種類に分類化されています。住区基幹公園、都市基幹公園、大規模公園、国営公園、特殊公園、緩衝緑地などなど。

圧倒的に数が多いのは、住区基幹公園です。この住区基幹公園も街区公園、近隣公園、地区公園の3つに分類されています。規模的には街区公園<近隣公園<地区公園という順番。

ちなみに思い浮かべやすい福井市の主な都市公園で言うと、福井運動公園は都市基幹公園、県庁横の中央公園は住区公園の中の近隣公園に当たります。

 

 

小さな公園はまちの中に沢山ある

さて、一番小さくて数が多いのは街区公園です。近所にある公園と言えばだいたいこの街区公園にあたるでしょう。一番身近な公園ですね。

この公園は都市公園法に基づいて、一定の区画内につくられています。規模0.25haを目安にして、周囲250m範囲の住民が利用することを想定してつくられています。

街区公園ってそんなにあったかなと思って調べてみると、沢山ありました。

福井市であれば250か所。コンビニの数が福井市だと124軒程度なのでざっと見積もってなんと2倍の数の公園があるということ!

うーん。暮らしていて気が付かないものだな~。
確かに息子と一緒に公園に行く頻度は格段に増えましたが、それでもそんなに公園があるとは思ってもみなかったよ。
つまり、それだけ町中の小さな公園って埋もれちゃっているんですよね。

周りの公園を見渡してみると、大きな公園以外、雑草が茂っていたり、遊具が老朽化していたりと、手入れが行き届いていないことも多いかんじ。

ん?この状況って大丈夫??

 

 

実際の整備や管理状態を聞いてみました

ちょっと興味をもったので、福井市の公園課に近くの街区公園の成り立ちや樹木の種類を聞きにいってみました。

その時、職員さんに聞いたのは、街区公園のような小さな公園まで市ですべて管理するのは難しいということ(250か所もあれば、そりゃそうだ)。遊具が壊れたなど大きな相談事以外は、街区公園はその周辺に住む人たちの自治会でボランティア管理してもらっているのが現状ということでした。そう言えば実家の近くの公園は、年に数回草むしりの当番が回ってきていたな。

調べた近所の街区公園については、つくられた当時の年月日と平面図は残されていましたが、樹木の種類は描かれておらず、現在の姿など追記された情報は市役所には残っていませんでした。

 

 

街区公園と時代の移り変わり

改めて都市公園法の成立からみてみると、街区公園の定められた都市公園法の制定は1956年。65年前の話です。当時は街区公園ではなく児童公園という名称で、すべり台、ブランコ、砂場の設置が義務付けられていました。

第一次ベビーブームが落ち着いた頃。そして高度経済成長期の目前という社会情勢がその当時の日本です。その背景からみられるのは、戦後の都市整備をすすめていくにあたり、まずは公園という憩いの場の「量」を増やすということでした。

そして現在、少子高齢化する社会において、暮らし方も様々になってきました。「みんなで同じように」という時代から「それぞれが多様的に」という時代に変化しています。

2017年、都市公園法が改定され、新たな方針が打ち出されました。今ある公園を地域資産として柔軟に運営していく、そのために市民や民間運用を積極的に活用してくというものです。

福井においても大きな公園では音楽フェスが行われたりと、新しい活用が始まっています。ただ、小さな街区公園にまでその動きが来ているかときているのかと言われれば、これからというところ。

そう、ピンチはチャンス!まさに変化のときが小さな公園にも訪れているのです。

 

 

妄想しよう、自分たちが欲しい新しい価値のある公園

じゃあまちなかの小さな公園は今後どうなっていくといいでしょうか。

あなただったらどんな場所がいいですか?

web記事作成チームで話していた時は、「コンポストのある公園」で盛り上がりました。

コンポストとは、生ごみを入れると微生物が分解してくれて、土になるというもの。
2020年7月からコンビニを含めたあらゆるお店のレジ袋が有料化されました。家の生ごみをまとめるのにそんなレジ袋を使っていたワタクシ。生ごみの処理にコンポストいいよなあと思っていたので、近くの公園にそんなコンポストあったらなんて便利!と妄想が膨らみました。

 

自分の家の近くの小さな公園にコンポストがある。

「ちょっとこの生ごみ、コンポストに入れてきて~」
小さな息子のはじめてのお手伝いになるかもしれない。

つくられた土は小さな公園にある畑に蒔かれる。
世話はご近所のみんなで当番制。
この地区に暮らす人たちだったら、好きに収穫ができる。
みんなで沢山取れた夏野菜でバーベキューをしてもいい。
果樹を植えてもいい。桃栗3年柿8年。

公園はどんどん育っていく。

まるで江戸時代の長屋の井戸端のように。

そこから新しいコミュニティが生まれる。

自分たちが望むつながりのできる公共空間。

 

さあ、あなたはどんな公園を妄想しますか。

街区公園というまちの小さな公共空間。私たちが描いたコンポストのある公園もきっと妄想で終わらない。小さな公園が、町の新しいハブになり、その土地の新しい価値を生み出せば、きっと楽しい未来につながるはずです。

 

 

文/牛久保星子・イラスト/松倉健太郎

 

 

【参考文献】
福井の自然公園、福井県、https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/shizen/kouen/kouen.htm、l2020.8.31アクセス

都市公園法改正のポイント、国土交通省https://www.mlit.go.jp/common/001248733.pdf

そもそも「都市公園」って?https://parkful.net/2016/03/park-management-next-gen-1/、PARKFUL日本全国の公園の魅力を発信するwebメディア、2020.8.31アクセス

公園3.0 の時代へ-これからの公園づくりを考える―https://parkful.net/2017/11/3rd-wave-park/、PARKFUL日本全国の公園の魅力を発信するwebメディア、2020.8.28アクセス