売看板について
売看板は、土地の上に設置される板状の広告物です。赤地に黄、坪数、価格、電話番号。この構成は業界内でほぼ標準化されています。
なぜその形式なのかという問いは、ほとんど立てられません。
情報量についての観察
走行中のドライバーが一枚の看板から取得できる情報は、1〜2秒で2〜3要素が上限とされています。
現行の売看板は、平均して6〜8要素を適度に分配して提示しています。結果として、どの要素も記憶に残りません。価格は比較基準を持たず、坪数は実感に結びつかず、電話番号は後で思い出されない。看板は視界を通過しますが、判断には接続されにくい構造になっています。何より景観が悪い。
前提の再検討
「売看板は単独で買い手を獲得する媒体である」という前提は、今日の購買行動と整合しなくなってきました。
買い手は看板から直接契約に至ることは、ほとんどありません。看板 → 検索 → ポータル → 問い合わせ、という経路を辿ります。看板は経路の入口であり、完結点ではありません。
役割が変わっているのに、形式だけが旧来のまま残っている。過不足を検討する機会が、そもそも設けられていないように見えます。
位置付け
売看板は、土地の上に立つ最小単位の情報構造物です。過剰に機能を負わせる必要はなく、過小に扱う理由もありません。
現状の形式が機能していないのであれば、設計を更新する余地は残されています。


